プレゼント
「あのさ、これ……」
大樹がカバンの中からリボンに包まれた小さな箱を差し出した。
「何?」
「今日、誕生日だろ? プレゼント。おめでとう」
「え?」
受け取ったプレゼント。
これは……。
「はー本当はこんなとこで渡すつもりじゃなかったんだけどさ」
大樹の顔が歪む。
「オレ、菜乃羽のことが好きなんだ」
「え……」
一瞬、心臓が止まるかと思った。
大樹が……わたしを……好き?
「何て言うか……ずっと一原と付き合ってると思ったからさ……
ダメ元で明日、菜乃羽に告白するつもりだったんだ」
全く知らなかった大樹の気持ち。
ストレートな思いをただ、聞くことしかできなかった。