【ほのB】人間の本質は愛なんじゃないかな?
「蜷川く~ん、飲み物は何にする?」
ぴったりと肩を寄せ合った隣に座る女が、俺を上目使いで覗き込む。
「あ~、えっと、コーラ」
「えぇ~、コーラ?
蜷川くんって、もしかして飲めない?」
「いや、だって、まだ三時だしさ」
「そんなの関係なぁ~い!
あたし達、とりあえずビール!
蜷川くんも、ビールにしなよ!!」
なら聞くなよ!
と俺は心の中で突っ込んでいた。
お高くとまった絶世の美女とばかり付き合ってきた俺。
こういう気さくな集まりは、実は初体験である。
って、五対一、ってのは普通なのかな?
「蜷川く~ん、とりあえず乾杯!」
疑問を挟む余裕もなく、カラオケ大会は幕を開けた。