【ほのB】人間の本質は愛なんじゃないかな?
「いやぁ~
申し訳ない。
うっかりしてました。
紹介がまだでしたな。
なんか、こっちばかりが納得して居りまして失礼致しました。
誠、こちらは二階堂麗さん。
静の一つ上の姉様だ」
「えっ?
お姉さん?」
どう見ても彼女のその形は男だった。
「蜷川さん、ご子息はどうやら混乱されているようですよ。
さすがに一言で説明するのは難しい。
ここは腰を落ち着けて、ゆっくり説明なさってはいかがですか?」
少しも動じることなく、彼、いや彼女は親父に向かって穏やかにそう言った。
「そ、そうですな。
それはご尤もなご意見だ。
実は、誠にはまだ何も明かしてはおらんのです。
全てはこの成人の祝いの席で、と思っていたもので」