穢れなき獣の涙
 邪悪な存在は容易に支配されてしまう。

 昨日のゴブリンたちが、その見えない脅威とやらに操られていたとしても不思議ではない。

「しばらく、考えたい」

 これが何かの策略だとして、自分を集落から引き離す理由などあるだろうか。

 とはいえ、すぐに信用は出来ない。

「あまり時間は無いぞ」

 遠ざかるシレアの後ろ姿をじっと見つめ、戸惑いつつも手にした情報を整理するべく目を閉じた。






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