穢れなき獣の涙
「奴らは仕掛けてくるかのう?」
仕方なくユラウスが別の話題を振った。
「ユラウス殿が言ったように、ここならば安全ではないでしょうか」
「敵の正体は解らないんだろ? オイラ怖いなあ」
「何かあれば魔導師たちか、監視してる奴らが気がつくよ」
マノサクスは危機感もなく応える。
このなかで最も敵についてよく知るのは、ユラウスだろう。
彼は先詠みで少なからず、敵の影は見ている。
影という曖昧なものではあるけれど、見せつけるように現れる強大な幻影は恐怖するに充分だ。
アレサは集落を攻撃され、ヤオーツェは巨大なバシラオを差し向けられている。
それを思えば二人も平然とはしていられなかった。
敵は、確実にその力を強めているとシレアは感じていた。
大きな流れの中心にいる者だからこそ、それを感じ取れるのかもしれない。
仕方なくユラウスが別の話題を振った。
「ユラウス殿が言ったように、ここならば安全ではないでしょうか」
「敵の正体は解らないんだろ? オイラ怖いなあ」
「何かあれば魔導師たちか、監視してる奴らが気がつくよ」
マノサクスは危機感もなく応える。
このなかで最も敵についてよく知るのは、ユラウスだろう。
彼は先詠みで少なからず、敵の影は見ている。
影という曖昧なものではあるけれど、見せつけるように現れる強大な幻影は恐怖するに充分だ。
アレサは集落を攻撃され、ヤオーツェは巨大なバシラオを差し向けられている。
それを思えば二人も平然とはしていられなかった。
敵は、確実にその力を強めているとシレアは感じていた。
大きな流れの中心にいる者だからこそ、それを感じ取れるのかもしれない。