穢れなき獣の涙
「奴はこの世界の支配と言っていましたね。それにはまず、何から始めるでしょう」

 アレサの言葉に、ユラウスは顔をしかめて唸った。

[シレア。おぬしならどうする]

 それに皆はシレアを見つめた。この中心にいるのは、紛れもなく彼なのだ。

「まず配下を増やし、敵対するであろう種族の住む場所を少しずつ外側から攻めていく」

 それぞれが同じような考えだったようで、シレアの言葉に小さく頷いた。

「アレサの集落を襲ったゴブリン共はどう見る」

「配下の動きを試したのではないだろうか」

「ふむ」

 シレアの答えにユラウスは納得の声を上げる。

 イヴィルモンスターをどれだけ支配し、従えることが出来るのか。

 それらは重要な事柄だ。
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