穢れなき獣の涙
「一体どうなってる!?」
威嚇に唸る眼前のコボルドに剣を構えて近づくなと鋭い眼差しを向ける。
まとっているチェインメイルがモンスターの声に反応するようにこすれて微かな音を立てた。
「俺に聞くな!」
乱れた短い赤茶色の髪を意に介することもなく、荒い息を整えながらコボルドを睨み付ける。
かつては白銀に輝いていたであろう胸当て鎧(ブレスト・プレート)は、彼の強さを物語るほどにいくつもの傷を持ち、くすみを与えている。
「はあ。なんなんだ」
エンドルフは途切れた合間にひと息ついてダークグレーの目を眇(すが)め、遠方に見えるコボルドの塊を眺めた。
「こいつら、王都に向かってるのか」
「なに?」
男は青い瞳を向け、いぶかしげに眉を寄せる。
威嚇に唸る眼前のコボルドに剣を構えて近づくなと鋭い眼差しを向ける。
まとっているチェインメイルがモンスターの声に反応するようにこすれて微かな音を立てた。
「俺に聞くな!」
乱れた短い赤茶色の髪を意に介することもなく、荒い息を整えながらコボルドを睨み付ける。
かつては白銀に輝いていたであろう胸当て鎧(ブレスト・プレート)は、彼の強さを物語るほどにいくつもの傷を持ち、くすみを与えている。
「はあ。なんなんだ」
エンドルフは途切れた合間にひと息ついてダークグレーの目を眇(すが)め、遠方に見えるコボルドの塊を眺めた。
「こいつら、王都に向かってるのか」
「なに?」
男は青い瞳を向け、いぶかしげに眉を寄せる。