穢れなき獣の涙
 ──セルナクスとミレアを見送り、通り過ぎていくウェサシスカを眺める。

「ミレアのおかげでシャグレナ大陸に行きやすくなるね」

 ヤオーツェは嬉しそうにミシヒシを撫でた。

 異変に気付いた彼女は、すでに魔導師たちに移動魔法円(ポータル)の設置を頼んでいた。

「いつ出発する」

 アレサの言葉にシレアは目を細める。

 ポータルの設置は魔導師たちの集落とマイナイの家、他に数カ所ほど頼んでいると言っていた。

 マイナイの家の設置にはしばらくかかるとの事だ。

 彼らは体力がない故、急ぐことは出来ない。

「三日後の朝に発つ」

 その言葉に一同は、いよいよだと互いに見合い頷いた。






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