穢れなき獣の涙
 彼女が作成するのは特別な魔法円だ。

 より多くの者を一度に運ぶべく作成される魔法円は長い時間を要する。

 本来、転送にはその場所を知っていなければならない。

 それを魔導師一人の力でやろうというのだ、これまで研究を重ねてきたポータルを使うしかない。

 人間の数は他の種族とは比較にならないほど多く、あちこちに広がっている。

 それだけの魔法円を作成するには、過酷な旅を続けなければならないだろう。

 しかれど、それこそが我らの使命なのだとミレアたちはひたすらに魔法円を作成し続けた。

 それを聞いたエンドルフたちは、魔導師を信じることにした。

「そうか」

「ああ」

 軽く見回しても数百を超えている。

 これからも増えていくだろう。
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