穢れなき獣の涙
 しかし、ここから続く未来に、人間がこの出来事をしっかりと伝え続けていけるという確証は無い。

 人間は大まかに秩序(ローフル)、中立(ニュートラル)、悪(イヴィル)──全ての属性と可能性を持つ。

 それ故に、未来はあやふやでおぼつかない。

 エルフたちのように成熟した種族となり得るのかは、今後のふるまいにかかっている。

 シレアは自分の手を見下ろし、自身の変化に目を細める。

 見た目は変わらずとも、感覚は明らかに以前と異なっていた。

 私がこの力と体を得たのには、他にも理由があるのだろうか。

 考えても解らないことなのだから、今は考えないでおこう。

「さて、どうしたものかな」

 目的のない旅だが、これからどうするかを思案した。

「そうだな」

 あの双子は元気だろうか。

 シレアは、月の輝く夜空を仰いでソーズワースを走らせた──





END
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