モノノ怪-血夜桜編-
猫は土方様の気配が無くなるまで威嚇し、怒っていた。
「大丈夫よ…」
私は猫を落ち着かせようと、その背中を撫でると威嚇が嘘のように無くなり、
私の膝で丸くなって眠りについた。
「その猫は賢いな。」
近々聞いていない懐かしい声が聞こえた。
「!?高杉…」
攘夷志士を掲げる新選組の敵、高杉がいた。
庭の木陰から姿を現し、彼は縁側に腰を降ろす。
「久しぶりだな。」
「高杉…貴方何故此処に!?」
「あんまり大声出すと体に障るぜ?」
高杉は相変わらず笑みを浮かべて私を見つめる。
「どう…いう?」
私と高杉は幼友達だった。
いや。今でも友達だ。ただ攘夷志士ということで、
表立った友好をすることが出来ないだけだ。
新選組に保護を受ける私と、攘夷志士の彼。
許されない関係だ。だから高杉とは全く関わっていないが、
幼友達なのは変わり無い。
「珠姫。逃げよう。今ならまだ間に合う。」
高杉がそんなことを言い始めた。
「だからどういうこと?」
「このままだとお前は殺されるぞ!」
高杉は至って真面目だった。
嘘や冗談を言ってるような顔では無かった。
「その薬を飲むな。」
私の目の前に置かれている薬。高杉はその薬を見た瞬間に目を見開いた。
一見何とも無さそうな薬。高杉は何かを知っている。
「その薬は毒だ。」
「毒?」
高杉は薬を開き、匂いを確認すると確信を得たように言う。
「速効性の毒ではないが、徐々に体力を削り、内蔵の機能を止まらせて死に至らせる。」
ドキリと心ノ臓が高鳴った。
正に今の私は体力を奪われている。
胃も機能していないのか、ご飯も満足に食べられない。
「大丈夫よ…」
私は猫を落ち着かせようと、その背中を撫でると威嚇が嘘のように無くなり、
私の膝で丸くなって眠りについた。
「その猫は賢いな。」
近々聞いていない懐かしい声が聞こえた。
「!?高杉…」
攘夷志士を掲げる新選組の敵、高杉がいた。
庭の木陰から姿を現し、彼は縁側に腰を降ろす。
「久しぶりだな。」
「高杉…貴方何故此処に!?」
「あんまり大声出すと体に障るぜ?」
高杉は相変わらず笑みを浮かべて私を見つめる。
「どう…いう?」
私と高杉は幼友達だった。
いや。今でも友達だ。ただ攘夷志士ということで、
表立った友好をすることが出来ないだけだ。
新選組に保護を受ける私と、攘夷志士の彼。
許されない関係だ。だから高杉とは全く関わっていないが、
幼友達なのは変わり無い。
「珠姫。逃げよう。今ならまだ間に合う。」
高杉がそんなことを言い始めた。
「だからどういうこと?」
「このままだとお前は殺されるぞ!」
高杉は至って真面目だった。
嘘や冗談を言ってるような顔では無かった。
「その薬を飲むな。」
私の目の前に置かれている薬。高杉はその薬を見た瞬間に目を見開いた。
一見何とも無さそうな薬。高杉は何かを知っている。
「その薬は毒だ。」
「毒?」
高杉は薬を開き、匂いを確認すると確信を得たように言う。
「速効性の毒ではないが、徐々に体力を削り、内蔵の機能を止まらせて死に至らせる。」
ドキリと心ノ臓が高鳴った。
正に今の私は体力を奪われている。
胃も機能していないのか、ご飯も満足に食べられない。