モノノ怪-血夜桜編-
何時からか…私と新選組の間では見えない溝が出来ていた。
最初は些細なことだった。
私のお部屋に土方様以外は殆ど近寄らなくなった。
今まで暇を持て余すかのように来ていた原田様や、藤堂様もお顔を拝見する日が少なくなった。
最初はただ、お仕事が忙しくなったのか、
土方様に怒られていたのかと考えていたのだが、どうも違うらしい。
私は避けられていたのだと気づく。
(何か…粗相でも起こしてしまったかしら…)
ぼうっと考えることが多くなった。しかしいくら考えても原因が見つからない。
「…き、おい…おい。珠姫?」
「ッ 」
誰かに呼ばれたと思い、ハッとして顔を上げると、心配そうに私の顔を見つめる土方様のお顔が近くにあって、
声こそ挙げなかったが私は驚いてきっと赤面してしまった。
「…大丈夫か?心に在らずって状態だった。体調でも悪いのか?」
「い、いえ、そんなことはありませんよ。申し訳ございません。
あの土方様、いつから?」
私の問いに土方様は軽く目を見張り苦笑された。
「いや、お前に用とかじゃなかったんだが、様子を見に来たんだが…
返事がなかったから勝手に入らせてもらった。
ま、見たところ体調が悪いわけではないんだろうが…心配事か?お前に元気が無いと調子狂うんだよ。
なんかあったらちゃんと言え。」
大きな土方様の手が不器用に私の頭を撫でる。
刀を握っている割にはとても綺麗で、とても暖かかった。
「実は…」
私は今まで心に突っかかっている心配事を、
土方様に全てを打ち明けた。
「〜という訳で…すみません、こんな話…」
私は話し終えて土方様を見つめた。
土方様は私の目の前に腰を下ろし胡坐をかき、
腕組みをしながら、真剣な目で私の話を聞いてくださった。
「そうか。悪いな。それは俺のせいだ。
あまり女の部屋に出入りすることは、
幹部として示しがつかないし、風紀が乱れて珠姫を襲う平隊員も現れかねない。
だからあまり珠姫と接触するなと注意をしたんだが、
珠姫には不安を抱かせてしまったな。」
彼はもう一度小さく謝る。
最初は些細なことだった。
私のお部屋に土方様以外は殆ど近寄らなくなった。
今まで暇を持て余すかのように来ていた原田様や、藤堂様もお顔を拝見する日が少なくなった。
最初はただ、お仕事が忙しくなったのか、
土方様に怒られていたのかと考えていたのだが、どうも違うらしい。
私は避けられていたのだと気づく。
(何か…粗相でも起こしてしまったかしら…)
ぼうっと考えることが多くなった。しかしいくら考えても原因が見つからない。
「…き、おい…おい。珠姫?」
「ッ 」
誰かに呼ばれたと思い、ハッとして顔を上げると、心配そうに私の顔を見つめる土方様のお顔が近くにあって、
声こそ挙げなかったが私は驚いてきっと赤面してしまった。
「…大丈夫か?心に在らずって状態だった。体調でも悪いのか?」
「い、いえ、そんなことはありませんよ。申し訳ございません。
あの土方様、いつから?」
私の問いに土方様は軽く目を見張り苦笑された。
「いや、お前に用とかじゃなかったんだが、様子を見に来たんだが…
返事がなかったから勝手に入らせてもらった。
ま、見たところ体調が悪いわけではないんだろうが…心配事か?お前に元気が無いと調子狂うんだよ。
なんかあったらちゃんと言え。」
大きな土方様の手が不器用に私の頭を撫でる。
刀を握っている割にはとても綺麗で、とても暖かかった。
「実は…」
私は今まで心に突っかかっている心配事を、
土方様に全てを打ち明けた。
「〜という訳で…すみません、こんな話…」
私は話し終えて土方様を見つめた。
土方様は私の目の前に腰を下ろし胡坐をかき、
腕組みをしながら、真剣な目で私の話を聞いてくださった。
「そうか。悪いな。それは俺のせいだ。
あまり女の部屋に出入りすることは、
幹部として示しがつかないし、風紀が乱れて珠姫を襲う平隊員も現れかねない。
だからあまり珠姫と接触するなと注意をしたんだが、
珠姫には不安を抱かせてしまったな。」
彼はもう一度小さく謝る。