恋華(れんげ)
そして放課後―――
学校を後にして、しばらく歩くと、そこは“赤”と“白”とで彩られたクリスマスモードの町並みだった。
ショーウインドーの前でオトコの腕にからみついている女がいた。
カレシにクリスマスプレゼントのおねだりでもしているんだろう。
幸せそうな人を見るとハラが立つ!
そんなふうに思うことが最近とみに多くなり、あたしは自分の中の“悪魔”を感じた。
クリスマスがエッチをする日じゃないことは、小さい頃に洗礼を受けたあたしにはもちろん分かってた。
小6のとき、大勢の信徒たちの前ではじめてミサ曲のオルガン伴奏をしたときの指の震えとココロの震えは今でも昨日のことのように覚えてる。
それでも、高1になった今の自分の毎週末の予定が“教会に行くこと”以外にないことに不満を感じるようになったのは、きっと――
すでにあたしが17年間もオンナという生き物をやってきたせいだと思う。
こんな時代に神さまを信じている人たちだからこそ、教会に悪い人はいない。