恋華(れんげ)

「…ったくアンタは他人事だと思って」

「だって実際、他人事だしぃ♪」

「あ~ァ、あたし、イヌでも飼おっかな。ペットのほうがダンナの何十倍もあたしのことを癒してくれそうだし」

「でも、アンタのマンションってたしかペット禁止でしょ?」

「それならお隣さんには“赤ちゃんが生まれたんです”とでも言っとけば、ちょっとくらい鳴き声が聞こえてもヘーキだと思う」

「絶対バレる、って」

「そーいや、誰かに聞いたんだけどイヌが鳴いたら電流が流れる首輪が売ってるんだってさ。それ付けとけば、イヌだって、そのうち鳴かなくなるんじゃね?」



「つーか、アンタ、バカっ!!」



あたしはその瞬間、激怒した!


「な、なによ、いきなし大声出して……」

「あのね、実はあたしがまだ小学2年生の頃、ダンボール箱の中に捨てられてたネコを拾ってきて飼おうとしたことがあってね」

「え?」

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