恋華（れんげ）

あたし的には５００円でも高すぎるような気がした。


「こんなボロっちいのが欲しいワケ？」


「“ボロ”とか言うなよ。他人にとってはゴミ同然のものが、別の誰かにとっては“お宝”ってこともあるんだよ」


「ふぅん…。まぁ、貴志が欲しいって言うんなら、別にあたしは文句を言う筋合いはないんだけどね……」


あたしはカレのため、カレの言う“クソゲー”に入札してあげた。

結局、他に誰も欲しい人がいなかったらしく、スタート価格の５００円のままで落札することができた。


そして数日後、大阪からの取引相手から定形外郵便でクソゲーが届いた。



「やりぃ～っ♪♪」



無邪気ってゆーか、カレの、まるで宝物を手に入れた子どもみたいな、超うれしそうな顔を見ると、やっぱりあたしも超×２うれしい気持ちになった♪