恋華(れんげ)
「奥谷さんからハナシは聞いてると思うんだけど、僕の指が治るまでの間だけでいいから、合唱部のヘルプとして僕の代わりにピアノを弾いてくれないかな?」
「別にあたしじゃなくても、ピアノ弾ける人くらいいるんじゃないですか?」
「それが運悪く今の合唱部のメンバーには一人もいないんだよ。顧問の先生に頼もうにも今ちょうと産休してるし…」
「そんなの知らないし♪」とあたしは思った。
すると今度は千恵がすがるような目で言った、
「あたしたち今度の合唱コンクールのためにずっと練習がんばってきたんだ」
「それは知ってるけど…」
「僕ひとりのせいで、みんなのがんばりが全部ムダになってしまうのかと思うと、ホントみんなに土下座して謝りたいくらいで…」
アイツの真剣な表情は、これまで王子さま気取りでチャカついていたのとはまるで別人のものみたいだった。
へぇ、このヒト…こーいう顔をすることもあるんだ……。
「奥谷さんから聞いたんだけど…池田さんが僕のことを嫌っているのは知ってるよ」
「えっ…!?」
おいおい!フツー本人に言わないでしょ!!
「別にあたしじゃなくても、ピアノ弾ける人くらいいるんじゃないですか?」
「それが運悪く今の合唱部のメンバーには一人もいないんだよ。顧問の先生に頼もうにも今ちょうと産休してるし…」
「そんなの知らないし♪」とあたしは思った。
すると今度は千恵がすがるような目で言った、
「あたしたち今度の合唱コンクールのためにずっと練習がんばってきたんだ」
「それは知ってるけど…」
「僕ひとりのせいで、みんなのがんばりが全部ムダになってしまうのかと思うと、ホントみんなに土下座して謝りたいくらいで…」
アイツの真剣な表情は、これまで王子さま気取りでチャカついていたのとはまるで別人のものみたいだった。
へぇ、このヒト…こーいう顔をすることもあるんだ……。
「奥谷さんから聞いたんだけど…池田さんが僕のことを嫌っているのは知ってるよ」
「えっ…!?」
おいおい!フツー本人に言わないでしょ!!