恋華(れんげ)
だけど、そのときあたしは……
「はいはい…。どーせ、みんなあたしが悪いんですよ……」
…ムショウにタバコが吸いたくなって…、
「お、おい、待てよっ…」
…と呼ぶ、アノ男の声に耳も貸さずに、店の奥の休憩室へと歩きはじめた。
それでもさすがに部屋につくまでガマンすることはどうしてもできなくて、タバコをくわえたあたしは、「チャキン!」とジッポーのライターで火を点けると、歩きタバコのまま、
「ふぅ」
…と、一際大きなため息まじりの紫の煙を吐いた。
「こんなの、どーせまたいつものこった……」
なんか“中島みゆき”の曲が聞きたいような気分になった。