恋華(れんげ)
「………」
「でも、それまでは」
「………」
「それまでは俺の夢への投資ってことで、俺の援助をしてくんねぇか?」
「夢への投資…?援助…?」
あたしは自分の稼いだお金でブランドものの洋服とかバッグを買ったりはしない。
そーいうのには全く興味なかったし、そもそも、どこかの誰かが考えたブームに乗せられて踊らされたくなかったから……。
結局、稼いだお金は、必要最小限の洋服代や化粧品代、あとはもろもろの生活費としてのみ使っていて、余ったぶんは全部貯金することにしていた。
つまり使用目的のないお金があたしにはある、ってコト。
だからカレのクチから“夢への投資”とか“援助”ってことばを聞いた瞬間、こう思った…
「どーせ使う予定のないお金なんだし、少しくらいなら貴志の夢の実現のために用立ててあげてもいいじゃん」
…って――――
「……分かったよ」