恋華(れんげ)
「僕のことはどんなに嫌ってもらってもかまわない。でも合唱部のみんなのためにどうしてもピアノを弾いてほしいんだ」
そしてアイツは…、
「お願いしますっ!」
とあたしに土下座をした―――
「どうしもキミの力が必要なんだっ!お願いしますっ!!」
“どうしても、あたしの力が必要”って……。
そんなこと言われるのははじめて。
あたしは生まれて今まで、こんなにも他人から必要とされたことなんてなかったと思う。
ちょっとカンドー♪
アイツは2年生なのに、1年生のあたしに向かって…自分のことを嫌ってるあたしなんかに向かって、床におでこを擦り付けるほどに土下座をして頼んでるんだ。