恋華(れんげ)
あたしはオリオン座の下をくぐり抜けると、カレの夜食にと、コンビニで“おでん”を買って帰ることにした。
アツアツのおでん、二人で“ふぅふぅ”しながら食べよ~、っと♪
そんなことを思いながら、一人でニヤニヤしながら、オリオン座の星が照らす北風の夜道を歩き、カレの待つ部屋を目指した―――
「ん?」
だけど部屋に到着するとドアのカギがかかっていた。
いつもなら、あたしが帰ってくる頃の時間にはカギを開けてくれてるのに……。
今日はいつもより帰りが遅くなったからカギかけちゃったとか……?
「ガチャ、ガチャ…」
あたしは、曲づくりに集中しているであろうカレをピンポンして呼ぶのも悪いと思って、自分でカギを開けて部屋に入った。