恋華(れんげ)

さっきからチラチラとあたしのほうを見てるんだけど、その目が…、

「おばさん、邪魔。早く消えてよ」

…って言ってるみたいだった。


ちょっと待ってよ。

ココはあたしの部屋だし、ソレはあたしのベッドよ。



このコ……かわいい顔して、とんでもない“ドロボー猫”だわ……。



結局、貴志も4つ年上のオンナなんかより、若いオンナのほうがよかった、ってこと?

でも、そのコ、Bカップのあたしよりおっぱい小っちゃいよ。いいの?それでも……。


「ふぅ…」

あたしはタバコをくわえ、「チャキン!」とジッポーのライターで火を点けると、紫色の煙と交じりあったような、ひときわ大きなため息をついた。


「あたし、なんのためにホステスまでやってがんばってたんだろ…」

「………」
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