恋華(れんげ)
「そんなことない、ってっ。実際、付き合ってみたら、僕たち案外うまく行くかもしれないじゃんっ」
「ムリっ」
あたしは即答した。
「100%絶対ムリだと思う」
「“100%絶対ムリ”って、なにもそこまで言うことないだろっ」
「中途半端に期待させたくないから」
「お前、自分の置かれてる立場ってもんが分かってんのかよっ? 僕にカラダを押さえ込まれてる、そんなシチュエーションでよくそんなセリフが言えるよなっ?」
「でもムリだから」
「クソツ、こうなりゃ、力づくでもっ…」
目を血走らせた博士モドキが、野獣の本能をむき出しにして、あたしのブラウスの胸元に手を伸ばして次の瞬間―――