恋華(れんげ)

「死んでもキミには抱かれたくないから!」


「し、死んでもっ…」


「キミに抱かれるくらいなら、あたしは死ぬ! イヤな男には死んだって抱かれたくない! それがあたしの誇り――プライドだよ!」


「…!」


「どうするの? あたしと一緒に火ダルマになって死ぬ?」


「………」


「それとも生きて……生きてキミのことを好きになってくれる別の女のコを探してみる!?」


「………」


「ねぇ、どっち? どっちにするの!?」


「………」


しばらくは悩んでたみたいだけど、やがて博士モドキは重いクチをやっと開いた。

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