恋華(れんげ)

「なんか宝探しみたいだね?」


「フッ。ちがいないわ」


「ハッハッハッ…」

さっき怒った博士モドキがもう笑った。
前髪がチリチリになってるけど…。



「ちょっと、ちょっと。そんなところで笑わないでくれる?」


「え…?」


「キミがあたしのカラダの上で笑うから、その振動があたしのカラダにまで伝わってきちゃうじゃない。それにいーかげん重いし」


「ご、ごめんっ」

あたしのカラダの上から降りる博士モドキ。

もうこの男は、あたしに危害を加えない。


こうしてストーカーに付きまとわれた悪夢のような日々に終止符が打たれた――――



それにしても……

< 177 / 201 >

この作品をシェア

pagetop