恋華(れんげ)
「“恋愛”なんていうと暖ったかくてホワァ~ンとしたものをイメージするけど、実際は“男と女のガチンコ真剣勝負”だからね」
「“恋愛”イコール“男と女のガチンコ真剣勝負”だなんて、ホント蓮華らしい発想だわ」
「だって、下手すりゃ、あんた、命取りだよ。ニュースでもよくあるじゃん、恋愛関係のもつれで殺人事件にまで発展したってハナシ。ホント、恋をするのも命がけだよ」
実際あたしは博士モドキにひどい目に遭わされたし、下手したらアイツと無理心中してたかもしれないワケだし……。
「まぁ、ぶっそうな話はそれくらいにして、カフェラテでも飲んで、カラダもココロも暖ったまろ? うふ♪」
できあがった2杯のカフェラテが、それぞれあたしと千恵のダンナの前に置かれた。
「…って、このカップ、ダンナのじゃね?」
カフェラテの表面は細かい泡で覆われている。
だから、つまようじなんかでそこに絵を描くことができるんだけど、あたしの前に置かれたカフェラテの表面には大きな“ハートマーク”が描かれていた。
「あっ、まちがえたっ。あたしのハート返してよっ」