恋華(れんげ)

そう言って、あたしのカフェラテとダンナのカフェラテを入れ替える千恵。

「はい、こーちゃん♪ お砂糖の代わりにあたしの愛情をたっぷり混ぜたハートマーク入りカフェラテをどーぞ召し上がれ~♪」

「いただくッス! ゴクゴクゴク…。超うめぇッス!!」

「蓮華、どーよ? はっきり言って、めちゃめちゃうらやましいでしょ? うふ♪」

「はいはい…やってらんないわ……」


あたしは奥谷夫妻のバカップルぶりにすっかりあてられてしまっていた。



「蓮華もそろそろいい年なんだし、誰かいいヒトいないの?」

「いたら休日はデートざんまいで地元になんて帰ってこないよ」

「まぁ、今度もしハートにビビッとくるオトコと出逢うようなことがあったら、勇気を出してアタックしてみなよ」

「う~ん…」


今のあたしにはソレはムリ。

「ノーメイクで仕事に行け!」って言ってるのと同じ。

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