恋華（れんげ）

「センパイの場合、“できちゃった結婚”しちゃったから、家族の生活のこと考えると、いつまでも自分の夢ばかり追ってるわけにはいかなかったんだと思うよ、たぶん」


「ふぅん…。男の人ってタイヘンだね……」

ツライのは女だけじゃないんだ……。


「ま、あたしやセンパイと違って、アンタは“フリー”なんだから、とにかくいろんなオトコにアタックしてみたらいーじゃん」

「…たく他人事だと思って気楽に言わないでよね」

「だって実際、他人事だしぃ♪」

「あっ、そのセリフ、前にあたしが言わなかったっけ？」

「そのときのお返しよ。うふ♪」

「ちいっ」


そのとき、あたしは舌打ちしながらも、千恵とのバカみたいな会話を続けていく中で、ガス欠状態になっていた“元気”を充電してもらったような気がして、ココロの中では…、

「ありがとう♪」

…って言ってた―――――