恋華(れんげ)
最終話 「恋華の蕾」
また元の一人ぼっちに戻った。


そーいえば今日はクリスマスか……。

お一人さまのあたしの今夜の予定といったら、コンビニでバイトをすることしかない。

だけど、クリスマスにうかれておカネのムダ使いするよか、むしろ今のあたしは働いておカネを稼いだほうがいいと思う。

なにせ女一匹、この世知辛い世の中を生きていくのに、最後に頼りになるのは悔しいけどヤッパ“おカネ”だしね……。



「いらっしゃいませ」


あたしがブックコーナーの整理をしていると、“ガテン系”のちょっとコワそうでワイルドな雰囲気が漂う若い男の人がやってきた。


邪魔しちゃ悪いと思って、コーナーを離れるあたし。

すると、あたしがいなくなるのを待っていたかのように、ガテン系ワイルドくんは水着のグラビアアイドルが天使のような笑顔で微笑むマンガ雑誌を手に取った。


あたしはその様子をチラ見しながら思った、

「やっぱ男の人は好きだよね、あーいうのが」

…って。
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