恋華(れんげ)
「池田さん、頼むッス」
不意に高木くんがあたしを呼んだ。
慌ててレジのほうに向かうと、お客さんが3人も並んでいた。
「お待ちのお客さま、こちらへどうぞ」
close状態にしてたもう一つのレジを解放するあたし。
そして高木くんのレジのほうか移動してきた2人のお客さんをさばき終えたとき、さっきのガテン系ワイルドくんがあたしの前に姿を現した。
マンガ雑誌に缶コーヒー、それにおにぎり…っと―――
「お会計は…」
…と、ここまで言って、あたしは言うのを一瞬、躊躇した。
クチにするのがなんだかちょっと恥ずかしい気がしたからだ。
でも言わないわけにはいかない。
一瞬の迷いの後、あたしは覚悟を決めてクチにした…、