恋華(れんげ)
第1話 「ひぐらしのメモリー」
徒歩7分の“駅近物件”のはずのアパートに10分以上かけて帰宅しなくちゃいけない…
でも、そのくらいのことは、あたしにとって
「ダマされた…」
って腹を立てるほどのことじゃなかった。
集合ポストに入ってた“株式会社ナントカ”からの封筒が薄かったことも、あたしの腹を立てさせるほどのことじゃなかった。
「またか……」
多分、物心ついた頃からだと思う。
あたしは、世の中に何も期待しない、そーいう生き方をずっとしてきた。
それでも部屋に入るなり、ハサミも探さず、手でビリビリと開封してたのは、一瞬、心のどこかで
「ひょっとしたら……」
って思ったからなのかもしれない。
でも結局、あたしの期待は裏切られた。
“不採用通知書”と“池田蓮華の履歴書”
それが株式会社ナントカから、あたし宛てに送られてきた全てだった。
でも、そのくらいのことは、あたしにとって
「ダマされた…」
って腹を立てるほどのことじゃなかった。
集合ポストに入ってた“株式会社ナントカ”からの封筒が薄かったことも、あたしの腹を立てさせるほどのことじゃなかった。
「またか……」
多分、物心ついた頃からだと思う。
あたしは、世の中に何も期待しない、そーいう生き方をずっとしてきた。
それでも部屋に入るなり、ハサミも探さず、手でビリビリと開封してたのは、一瞬、心のどこかで
「ひょっとしたら……」
って思ったからなのかもしれない。
でも結局、あたしの期待は裏切られた。
“不採用通知書”と“池田蓮華の履歴書”
それが株式会社ナントカから、あたし宛てに送られてきた全てだった。