恋華(れんげ)
けど、あたしはまだ走り出す前の…

「ガタン…ガタン…」

と、ゆっくりと一番高いところに登っていくところですでに、

「もう無理っ…」

…ってギブアップしていた。



だから走り出してからは、ずっと目をつぶってたし、早く終わらないかと思ってた……。



みんな、なんであんなのが楽しいんだろ?

あんなのに乗って喜んでるヤツらの気がしれない!

バカじゃない!?



だから、その後はどんなに誘われても他の絶叫マシンにはゼッタイに乗らなかった。

かといって、ゴーカートやお化け屋敷はあたしには“子供だまし”のように思えた。


いろんなものをこばみ続けたあたしは結局、最後に観覧車に乗ることをOKした。

「ごめんな、遊園地はあんまり好きじゃなかった?」

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