恋華(れんげ)
「蓮華ちゃんのクチ…なんか、その…ヘンな味がする……」

「…!」


「ひょっとしてタバコ吸ってる?」


あたしは黙ってうなづいた。

高1の夏からだから吸いはじめてちょうど1年になる。


「そっか…そうなんだ……」


アイツはそれっきり黙りこんでしまった。



それ以来、アイツから届くメールの数がみるみる少なくなった。

しかもメールが届くのはコッチからメールをしたときの返信だけで、アイツのほうからメールをくれることなんてなかった。

もちろんデートのお誘いもナシ。

なんかもう、アイツがあたしとメールするのを嫌がってるのが分かったから、あたしももうメールするのをやめることにした。

その結果、いわゆるひとつの自然消滅状態になった―――――



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