恋華(れんげ)

「それより、あたし、これからも、もっと、もっとがんばりますから、いっぱいいっぱい、あたしにご褒美くださいね、課長♪」

あたしは、そう言って秋吉の目をまっすぐに見た。

「そうか。蓮華くんはエライな」

秋吉は、そう言ってあたしの頭を“いいこ、いいこ”してくれた。


うれしい…

この瞬間がすごくうれしい♪

あたしは男の人に“いいこ、いいこ”されるのがすごく好き♪♪

たった一つの契約を取るためにどれだけ苦労をしたとしても、この“いいこ、いいこ”でみんな報われるような気さえしちゃう♪


「あたし、ズル賢いって言われてもいい。バカじゃズルはできませんから…」

あたしは秋吉の胸にしがみついた。

秋吉は指にあたしの黒髪を巻きつけたまま、強く、あたしの体を抱きしめた。


あたしのことを離したくない、って…
他の誰にも渡したくない、って…
そう思ってくれたんじゃないかと思う……

でも――、
< 47 / 201 >

この作品をシェア

pagetop