恋華(れんげ)
「あたし達は飛び込みなのに、池田さんだけ課長に最初から絶対に契約してもらえるところを紹介してもらってるなんて、なんかメチャメチャ不公平だと思いませんか?」
「あ、あたしは…あたしは……」
だけど言い返すことばが浮かんでこない。
本当のことだったから……。
「普段はおとなしそうなフリしてるクセに、実は裏で男の人を利用してるなんて、そーいうズルってすごくムカつきます」
「“利用してる”って……。誘ってきたのは向こうですよ」
「でも拒否しなかったんですよね?」
「………」
「この際だからハッキリ言いますけど、あたし、池田さんみたいなズルイ人ってキライなんです!ダイキライです!」
「…!」
「じゃ、失礼します!」
言い終わるなり、松野さんは一方的に電話を切った。
あたしは枕元にケータイを置くと、ゴロンとベッドに横になって、
「ふぅ~…」
と大きなため息をついた。
「あ、あたしは…あたしは……」
だけど言い返すことばが浮かんでこない。
本当のことだったから……。
「普段はおとなしそうなフリしてるクセに、実は裏で男の人を利用してるなんて、そーいうズルってすごくムカつきます」
「“利用してる”って……。誘ってきたのは向こうですよ」
「でも拒否しなかったんですよね?」
「………」
「この際だからハッキリ言いますけど、あたし、池田さんみたいなズルイ人ってキライなんです!ダイキライです!」
「…!」
「じゃ、失礼します!」
言い終わるなり、松野さんは一方的に電話を切った。
あたしは枕元にケータイを置くと、ゴロンとベッドに横になって、
「ふぅ~…」
と大きなため息をついた。