恋華(れんげ)
第7話 「母娘の肖像」
人間が生きていくのに必要なのは“水”や“食べ物”だけじゃない。
お金……
そもそも“お金”がなくっちゃ、水も食べ物も手に入れることができない。
あたしは今日を、そして明日という日を生き抜くために“株式会社システムマックス”を訪問した。
そこはパソコン関連のソフトやシステムの開発、販売をしている会社。
あたしが保険会社を辞めてちょうど2ヶ月目の日の出来事だった―――
面接会場である会議室の長机に、横一列に並んだ3人の中年男たち。
そのうち真ん中の中年男……つまり面接官があたしの履歴書を見ながら言った、
「え~、今回、池田さんは“事務職を希望”とのことですが、履歴書を見ると高校卒業後に就いた工場の事務職をたった3ヶ月でお辞めになっているようですね」
「はい…。でも一応、経験者ですし求人の募集要項には“経験者優遇”って書いてありましたよね?」
「えぇ」
「あと、パソコンの扱いにも少し自信がありましたので希望いたしました」
お金……
そもそも“お金”がなくっちゃ、水も食べ物も手に入れることができない。
あたしは今日を、そして明日という日を生き抜くために“株式会社システムマックス”を訪問した。
そこはパソコン関連のソフトやシステムの開発、販売をしている会社。
あたしが保険会社を辞めてちょうど2ヶ月目の日の出来事だった―――
面接会場である会議室の長机に、横一列に並んだ3人の中年男たち。
そのうち真ん中の中年男……つまり面接官があたしの履歴書を見ながら言った、
「え~、今回、池田さんは“事務職を希望”とのことですが、履歴書を見ると高校卒業後に就いた工場の事務職をたった3ヶ月でお辞めになっているようですね」
「はい…。でも一応、経験者ですし求人の募集要項には“経験者優遇”って書いてありましたよね?」
「えぇ」
「あと、パソコンの扱いにも少し自信がありましたので希望いたしました」