恋華(れんげ)
なんか全身をなめ回すようようなねちっこい視線が、気持ち悪くて寒気がした。

「このあいだの清楚なスーツ姿もよかったけど、今日のドレス姿もセクシーで似合ってるよ♪なんか僕、ドキドキしちゃうな~♪」

「はぁ…」

おいおい、“セクシー”って……。


「今日の仕事は何時まで?」

「え…」

「仕事が終わったら飲みに行こうよ♪」

「あの、あたし、こう見えてもお酒飲めませんから……」

「じゃあ、お茶とかコーヒーでもいいし♪」

「すいません…その…店外デートみたいなのは禁止されてるんです……」

「デートじゃないよ♪ちょっとおハナシしたいだけだから♪」

「すいません…そろそろ戻らないといけないので……」


以前、秋吉に薔薇の花束をもらったときはホントに胸がときめいた。

なのに今回は……。

同じことをされても相手によって、こんなにちがうものなのかな……。
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