セーラー服と、スーツ






「中学生に、告白された!?」

「あぁ」


いつもの居酒屋で、昨日あった出来事を柊に話した。


「で、返事は?」

「断ったよ。当たり前じゃん」

「そうよね…相手は中学生なんだし」


「犯罪者にはなりたくねぇよ」

「あはは!大地が犯罪者になったら、みんなで笑うわ」

「だから、ならねぇって!」

「あはは!」

「笑い事じゃねぇんだぞ…」

断った後、一応…罪悪感でいっぱいになったんだ。
断り方が悪かったのかもしれないけど…



「じゃあさ、大地。今日は、大人の付き合いしない?断るのは、なしよ」

「なんだそりゃ…だったら、聞くなよ」


「そうね。でも、聞いときたいじゃない?お互い、合意の上の方がやりやすいでしょ?」


「…そうだな」

「決まりね。じゃあ、行こうかしら」

「あぁ」


一杯のお酒を飲んだだけで、俺たちは居酒屋を出た。




次に向かう先は、ラブホテル。
柊が言った大人の付き合いとは、そのこと。


俺たちは、恋人同士でもない。
好きという感情も、お互いに持っていない。


快楽を求め合っているだけ。




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