セーラー服と、スーツ




「…おい」

「…あ」


また暗闇に引き込まれそうになった時、大地くんの声によって引き戻された。


「…大丈夫か?」

「あ…はい」

「お前、消えちゃいそうな雰囲気だったぞ」

「あはは…」

「俺が公園に入ってくる時も、似たような雰囲気を漂わせてたぞ。だから、心配になって…」

「…心配?」


「あ…いや、」

ハッとしたように、大地くんは手で口を抑えた。



「…とにかくだな、料理ぐらいはしろってことだ!ちょうど今からスーパーに、材料買いに行くとこだったんだ!お前も、行くぞ」

ごまかすように、大地くんはペラペラと喋った。




「…まだ、スーパーやってないです…」

公園にある時計を見ると、時刻は8時を過ぎたところ。

ほとんどの店は、10時開店が当たり前。


「に…24時間やってるとこに行けばいいんだよ!」


「近くにない…」

「う…車で行くぞ!付いてこい!」



歩き出した大地くんの後を、付いて行く。



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