セーラー服と、スーツ
溢れる涙と、鋭い目つき。
いつもの優しい目じゃない。
「…ユキ」
ビク!
「あ…」
いつの間にか、お父さんが目の前まで来ていた。
「どうしてこういうことになったのか、説明してくれるよな?」
私の頭を撫でるお父さんの手が、震えている。
「…っ」
「な、ユキ」
お父さんはかがみ、目線を合わせた。
少し涙が溜まっている。
泣いているお父さんなんか、生まれて初めて見た。
「私が…っ」
お父さんの目から涙が溢れ出るのと同時に、私の目からもたくさんの涙が溢れ出た。
「お姉ちゃんの…あとに付いてったから…」
熱くて、悲しい涙。
「ダメって、お姉ちゃんは言ってたのに…道路渡って…気付いたら、お姉ちゃんが…」
車にひかれた瞬間のことが、よく覚えていない。
ただ、目の前が真っ暗になって…目を開けたら、お姉ちゃんがー…
ドクン!
「う…ゎーん」
血を流して、動かなかった。