セーラー服と、スーツ




「はぁ…」


そういえば、どうしてあの少女はあの場所に居たんだろう?

自宅の最寄り駅から、電車に乗って数十分もかかる街中。

制服姿のまま、何してたんだ?

「あら!大地くん、お帰りなさい」

「げ、店長」

「げって、何よ!失礼ね」


コンビニの前を通りかかると、店長が外でゴミを片付けていた。

「さっきまで、ユキちゃん居たわよ」

ドキ。

「あぁ、そう」

何で、ドキっとしたんだ?
ていうか、まさか店長にさっき見たことを言ったわけじゃないよな?

「ちょっと、様子が変だったわ」

ドキ!

「…変?」

「何か、少し落ち込んでたわ」

「…」

「泣きはらしたように、目も腫れてたし…」

「…」

「大地くん、昨日何かしたの?」

「してねぇよ。…じゃあな」

「あ、ちょっと!?大地くん!!逃げないでよ」


昨日、あんだけ泣けば目も腫れるよな。

でも、落ち込んでたのはー…


俺のせいか?



「…いや、違うよな。昨日のを引きずってるだけだよな」


そうだよ。
俺には、関係ないことじゃないか。
あの少女の家庭の事情のことなんかー…


それに、俺が誰と一緒に居ようと少女とは関係ないー…


"あなたが運命の人だと、信じてもいいですか?"


「…」




…はず。




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