セーラー服と、スーツ



「いらっしゃい…!?」


自動ドアが開き、店内に入った。

「店長、いつもの…」

"タバコくれ"と、レジに立っている店長に向かって、言おうとしたがー…


「あ…」


店内にいたお客に、驚いた。

「だ…大地くん!帰ったんじゃなかったの!?」

慌てた様子で店長が、詰め寄ってきた。


「…それは、こっちのセリフ…」


店長の背後にいる人物を見ると、 目が泳いで落ち着かない様子。

何で、あんなにオドオドしてるんだ?


「もう、いいわ!大地くん、ユキちゃん送ってきなさい!」

「は?」

急に、店長がキレた。

「俺は、タバコを買いに…」

「送ってからじゃないと、タバコ売らないわよ!?」

「売らないって…」

「早く帰った、帰ったぁぁ」

「うぉっ」

「きゃっ…」


店長に背を押され、少女と一緒に店内から追い出された。


「なんつー…」

オネェなのに、馬鹿力。


「はぁ…」

しょうがない送って…


「ごめんなさい!!」


少女が俺に向かって、頭を下げた。




< 84 / 131 >

この作品をシェア

pagetop