いたいんですけど!【BL】
「……本当に、すまなかった」
「いえ、そうするつもりは無かったって
ちゃんと分かっていますから」
いつだって、先輩は俺から
したくて意識を奪っている訳じゃ無い。
そんな事は知っている。
「じゃあ、また明日」
「……無理はするなよ?」
玄関先まで見送った。
朝よりは大分マシになったから、
きっと明日は大丈夫だと伝える。
静かにドアが閉まるのを確認してから、
そっと息を吐いた。
今日も、俺は抱きしめ返せなかった。
「……せめて
もうちょい、丈夫だったらな」
それか先輩の力がもう少し弱いか。
どっちも難しい。
それに、二人ともこうでなければ
今の関係はきっと無かった。
しょうがない。
そう思って、また1度、ため息を吐いた。