いたいんですけど!【BL】
冷えたタオルをもらい、
しばらくして鼻血は止まった。
先生は、もう少し休んでいてもいいと言うが、もうすぐ授業が終わる。
そしたら教室からみんな出てくるだろう。
その前に、ジャージに着替えたい。
だから、もう戻ろう。
失礼します。と一礼し、保健室を出た。
階段の辺りまで来ると、
誰かが歩いているのに気が付いた。
……先輩だ。
どうしたんだろう。
まだ授業中なのに。
まさかサボりか?
声をかけてみようか。
そう思った時、
彼の隣に誰かが居るのに気が付いた。
先輩は、見知らぬ女生徒と腕を組んで、
なにやら楽しげに会話をしていた。
もしかしたら、
何か用事があったんじゃないだろうか。
そう思ったけれど、
隣の子は、委員会でも、
バスケ部でも見覚えのない人物だ。
……でも、他の所の人かもしれない。
誰にでもスキンシップをとる人も
居ない訳じゃ無い。
そんな風な、色々が重なったんだろう。
俺が目撃したのも、偶然だ。
でも、鉢合わせるのは、なんか嫌だ。
だから隠れよう。
階段の脇には、1階という事もあり
掃除用具の入ったロッカー。
それに机と椅子や段ボールが積まれている
少しの間、やり過ごす事は出来そうだ。