Everlastingly Love~もう一つの恋物語~
「では、リアナ様。参りましょう」
「え?」
「俺に考えがあります」
「本当?」
「はい。少々荒っぽいですが……」
「私なら平気よ」
フェリックを信じているリアナは笑顔を浮かべている。
「リアナ様。失礼します」
「え?えぇっ?!」
フェリックはリアナの前に立ち、屈んだかと思うと軽々と横抱きにした。
「あの……リック……?」
「しっかり掴まってて下さい」
そのまま窓まで歩き、枠に足をかけたところで右腕にリアナを乗せて左腕の力だけで降りて行く。一人を抱えているにもかかわらず全くそれを感じさせない足取りだ。
それにはリアナも驚いている。フェリックが鍛練している姿を見ていたが、まさかここまで力があるとは思わなかった。