Everlastingly Love~もう一つの恋物語~
「私はあなたを愛せない……」
「知っています。でも妻になってくれれば構いません。僕達の間に子供が生まれて家族になれば気持ちなんて変わります」
「私はレインと結婚なんてしない。だから家族にはなれない。だって私は……」
「フェリック・キール」
「……!」
「あなたが彼をどんなに愛そうと結ばれる事は決してない」
「………………。」
「あなたが傷付くだけだ」
「いいの……それでもいいの……分かってて好きなの。結ばれないのも分かってる。リックが私を王女としてしか見てくれないのも全部分かってて好きなの。馬鹿みたいでしょ?」
「姫……」
「いいの。私は自分が幸せになろうなんて思わない。傷付いたっていいの。だって、こんなに人を好きになれるのってすごい事だよ。王族に生まれたら一生恋も知らない人も沢山いるんだよ」
「姫……」
「だから私と結婚してもレインは幸せになれないよ。他の人を想う人と結婚なんてしたらいけない」
「姫……一旦引くよ。僕の気持ち押し付けるだけでは駄目だからね。また会いに来るよ」
もう一度抱きしめて額に口づけてレインは去った。