*SHINE ON*
「だから、こんな可愛いハンカチあげちゃだめだって。」

「えっと・・・君は、何か拭くものが欲しかったんでしょ?
 私のハンカチじゃぁ、君の鼻は拭けないって言うの?」

すると彼は、あっ!と口を開けて真っ赤になった。

「ちがっうんです。僕にはもったいないというか・・・
 僕の鼻水なんて、ティッシュで十分だから!!」

「ふっ、ふふふ。アハハハ」

その真っ直ぐさというか、真面目さが面白くて

私は思わず吹き出してしまった。

「えっ?」

彼は、笑い続ける私を見て、キョトンとしている。

その時。

「ぐぅ~ぐるるぅ~~」

私の笑い声より大きい、おなかの鳴る音がする。

勿論、それは私でなく。私の目の前で

自分のおなかを手で押さえながら下を向いている彼だ。

「ふふふ、お腹空いてるの?」

彼はブンブンと首を横に振ったが身体は正直だ。

「ぐるっぐるるるる~」

また鳴った。

「空いてるじゃん。今から、マック行くんだけど一緒に行く?」

彼はまた、首が飛びそうなほど横に振った。

「僕、お金持ってないから・・・良いです。」

とても寂しそうな目で私を見つめている・・・

「ねぇ、マックぐらいおごるよ~年下みたいだし。
 出会ったのも何かのご縁かもよ?」

すると、彼はキラキラした目でこちらを見返した。

すぐに曇ったけど。

「でっ、でも・・・本当に良いの?」

「ぅん。朝マックのお相手が私じゃ不満なの?」

ちょっと、いぢわるにいうと。

まだ、ブンブン首を横に振って

「ありがとう」

と言いながらニコッと笑った。
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