*SHINE ON*
中々やるわね、若者。

その笑顔に、不覚にも心の中がドキッとしてしまった。

マックへの道のりの5分間

私達は無言のままで並んで歩いた。

途中で、犬の散歩中のおばさんとかとすれ違って

チラッと見られた気がしたけど

私達は、はたから見たらどういう関係に見えているのだろう?

姉弟?会社の同僚?もしかして恋人同士?

そんなことを考えていると少し可笑しかった。


さすが早朝、お昼は人々で賑わうココも

2~3人しか人がいなくて、席は何処でも座りたい放題だった。

「ここにしよっか?」

私は、一番奥の窓際で街の様子が上から見渡せる席の方を向いて言った。

「ぅん」

と、呟いて彼は頷いた。

席についたとたん

「ありがとうございます。・・・えっと食べても良い?」

と、もうハンバーガーを手に取っている。

「どうぞ?」

「いただきまぁ~す」

私が言ったのとほぼ同時に声がした。

「アハハハ」

私は戸惑いながらも食べるのをやめない彼を見ながら

周りを気にせず大笑いした。

「はぁ~、本当に君って面白いねぇ~。」

笑いも一段落した私がそういうと彼はニッコリしながら

「ありがとう。それって、いい意味でだよね?」

と覗き込むような目で私の方を見た。

「もっちろん。あっ、そういえば~君って何て名前なの?
 まだ聞いてなかったよね?」

すると、ハッと目を大きく開いて、顔が赤くなるのが分かった。

「えっと・・・僕、名前も言ってないのに、ご飯ご馳走してもらちゃって
 すみません!!」

「え?」

彼の予想外の行動に、私はちょっと面食らった。

「私こそ、名前も聞いてないのに、ご飯ご馳走しちゃって
 すみません!!」

彼の言い方を真似て、同じ言葉を言った私に

彼はニコッと笑顔で返した。
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