君が望んだ永遠



理解した時には母さんは
うずくまっていて。


俺の目の前でした行為に
一瞬、理解できなかったんだ。



「か…ぁ……さん」



母さんのお腹には
鋭く鋭利な包丁が深くまで刺さっていて、刺した拍子に飛んできた返り血が俺の顔に生暖かい感覚を感じさせた。



「……コウ」


「…………」



放心状態の俺は
もう何も言うことができず
動くこともできなかった。


すると、母さんは
優しく俺を抱き締める。


そのせいで
俺の服や手は血でベットリと染まっていく。




…………嘘だ。

こんなの、
夢に決まってる。


ねぇ、教えて?

なんで母さんは
自分で自分を傷つけてるの?






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