君が望んだ永遠
母さんが倒れてから、
しばらく
俺はその光景を見入っていた。
まだ信じられない。
いや、信じたくない。
でも目の前で
血を流す母さんはココにいて
俺のあちこちにも血が付いてるのも事実。
――――母さんは、もう息してはいない。
自分の手の平を見れば、
まだ温もりのある液が滴り落ちていて。
「……嘘だ」
そう言っても
その言葉を肯定してくれる人はいなくて。
「嫌だ……っ」
俺の掠れるほどの小さな声は
1人では広すぎる家に
虚しく響き渡る。