桜咲くころに
* * *
黄色いカーテンが、1番にうちの目に入ってきた。
「どこや・・・・。ここぉ・・・・・。」
うちは、真っ白な布団の上に寝転がって、黒い毛布をかぶっていた。
「あぁ~。起きたかぁ~。よかよか。」
左の耳から入ってくる低い声。
星夜の声だった。
「なんで!なんで、うちここにいるん!?ここどこや!?」
うちは、真っ直ぐに星夜の裾を掴んで、ベットから飛び降りた。
「まぁ~落ち着きぃ。ここは、俺の部屋や。」
なっ!なんでうちが、星夜の部屋にいるの?
うちが、答える暇もなく、星夜はうちを、もう1度ベットに寝かせて、‘もうちょっと、寝とき。’と言った。
でも、うちはそんなんじゃぁ、納得いかない。
だって、起きたら男友達の部屋にいたなんて、おかしいじゃない。
「なんで、うちが星夜の部屋に・・?それに、星華はぁ?」
うちは、冷静になって聞いた。
星夜は、深いため息の後に答えた。
「星華は、元彼と話つけてくる言うて、出かけた。お前は、走ってて、そんままぶっ倒れたとこ、たまたま追いかけてった、俺が助けただけ。OK?分かった?」
星夜は、呆れた様に言った。
でも・・・・。
星華元彼と話しつけ行くって・・・・・・。
平気なんかな。
うちは、心配で仕様がなかった。
でも、星夜が‘ダメ。寝てろ’って言うから・・・・。いや。
星夜のその、無意識の優しさに負けて、星華の所には行かなかった。
こんなうちは、世界一馬鹿だと、思い知るのはここから、何時間もしないうちだった。